幻の但馬牛「但馬玄(たじまぐろ)」
契約牧場「上田畜産」で育てられ月に10頭くらいしか出荷されない、特別な餌で育てられ脂の融点が低い但馬牛を「但馬玄」(たじまぐろ)と呼びます。
一般的な黒毛和牛の脂が約25度から溶け出すのに対し「但馬玄」は約12度から溶け出します。 低温で溶け出す脂はサラサラでマグロの脂に近く、口に入れるとフワッと肉の旨味が広がり肉の甘味みを感じます。
上田畜産では長年の経験や研究から、たっぷりの愛情と良質な飼料や環境を整え、何よりも健康に育てることをモットーとしています。
成分分析の結果からも融点の低さや旨味成分のオレイン酸や必須脂肪酸のリノール酸が他より多く含まれている事が証明されているのが但馬玄です。
特別な餌で育てられ脂の融点が低い但馬牛「但馬玄」
但馬牛の肉付や体格を競う大会で最優秀賞受賞!
上田牧場の社長と
但馬牛ナンバー1の宿になろう!そう決意した若旦那は食べるだけではなく、飼育の現場も知らなくてダメだと考え牧場へ行くことに。
上田牧場の社長に頼み込むも「忙しいからまた今度」と2・3度優しく断られ、それならば、と言うことで勝手に行く日を決め「2月○日から1週間お世話になります」と牧場へ突撃! そこから予想もしていなかった怒涛の1週間が始まった。
自然いっぱいの中で放牧中の牛たち
清潔な牛舎
朝5時半から始まる牧場のお仕事 朝一番牛舎を回り、一頭一頭の牛の体調を確認する上田社長。
「牛の体調は顔を見れば分かる」と言うが、若旦那にはサッパリ分からない。
良く聞くと「耳の下がり方でわかる」とのことだがやっぱりどれも同じに見えてしまう。
牛舎の掃除、餌やりを終えるとあっという間に午前中が終了。
午後からは獣医さんが牛の健康診断や、種付け、牛の体重測定、乳搾りなどをこなし、その後は2度目のお掃除と餌やり。一通り仕事が終わるのは19時頃。
体力には自信がある若旦那だがこれはキツイ!
上田社長と充実した時間を過ごし、沢山話もして、牛に対する情熱も伺うこともできました。
以下はその時に聞いたお話を少し書かせていただきます。
兵庫県香美町村岡で12頭の牛から始まった上田社長の牛飼い人生。
高校を卒業してすぐ、祖父から譲り受けた12頭の但馬牛から牛飼いをはじめ、現在は1000頭近い牛を飼育しています。
今や兵庫県内最大規模の牧場と言われています。その理由は全国でも少ない「一貫飼育」をしているから。
一貫飼育とはその牧場で生まれた子牛を出荷するまで同じ牧場で育てること。
通常は繁殖農家と肥育農家と二つに分かれており、繁殖農家が子牛から9ヶ月頃まで育てた後に、子牛のセリにかけ、セリで買った子牛を繁殖農家が出荷するまで育て上げるという2段階方式。その両方を一つの牧場でやりくりしているのです。
但馬牛の品評会で優勝を繰り返し、生産効率を限界まで上げ順風満帆だったその時、事件は起きました。
「病気にかかった牛がどんな治療をしても治らない!」
上田社長はこれまでやってきた牛の飼育方法が牛にとってどんなにストレスだったかということに気が付かされました。
肉の見栄えや格付けを意識するあまりに、牛の健康を十分に考えてやることが出来ていなかった。
そこから徹底的に牛の飼育環境、餌を見直しとにかく牛を健康に育てることだけを考えて、改良に改良を積み重ねたのです。
苦節5年、牛が途中で餌を食わなくなり、途中で息絶えてしまった牛もありましたが、気が付けば大きな変化が起こっていました。
また、肉質は融点が低くなり旨味が増し、格付けに関わらず市場での評価が高くなりました。
「この飼育方法は誰にも真似できない」という上田社長。
牛に対するきめ細かな配慮や変化を見極め、常に向上心を持ち最高を追い求めているのが上田牧場なのです。
笑顔が素敵な上田牧場のオーナー夫妻♪